約 35,696 件
https://w.atwiki.jp/wiz_online/pages/833.html
Lv6と7の再詠唱時間を更新しました - 名無しさん 2013-08-16 04 25 40
https://w.atwiki.jp/mgs4wiki/pages/86.html
https://w.atwiki.jp/rugurugumemo/pages/18.html
猫しっぽ 5m サンドボード スノーボード 8m シャープウィング 3m 巨大蝙蝠 29m フェニックスウィング 35m ヴァンパイアマント(鮮紅) 10m サンバドラム 200m フェニックスの羽 10m
https://w.atwiki.jp/lngawnd/pages/12.html
企業の社会的責任(CSR)とは何なのか。欧米と日本を比較しつつ、その本質を問う。 (2007年11月 7日) CSR(企業の社会的責任)の退屈に救いを! (2007年11月12日) ミャンマーで起きたこととCSR (2007年11月19日) ミャンマーで起きたことでCSRを計測する (2007年11月26日) 効能書きと副作用の微妙な関係 (2007年12月 3日) みんなCSRに飽き飽きしてる CSR(企業の社会的責任)の退屈に救いを! 2007年11月 7日 みなさん、はじめまして。藤井敏彦と申します。今日からCSR(企業の社会的責任)を書いていきます。よろしくお願いします。独立行政法人経済産業研究所というところで二足目の草鞋を履かせてもらいCSRやその他いくつかの事柄につき時折思い出したように書き物をしています。このブログではCSRという舶来の概念を使いながら日本の社会、日本の会社、日本の外の社会、日本の外の会社のことを考えていきます。なお、この場で書きつづりますことはワタシが所属する組織の見解とは関係ありません。極めて私的な陳述でありますので、念のため。もっとも、「公式」なCSR論を求めておられる読者はもとよりあまり多くないかもしれませんね。 初回ですし、ワタシのCSRへのアプローチは唐突に論ずると異端審判に召喚されかねない類のものですので、皆様のコンピューターの画面に出現するに至った経緯などを小出しに交えながらスッテプバイステップでいきたいと思います。 今をさかのぼること7年前の2000年ワタシはベルギーの首都ブラッセルでロビイストとして働き口を得ました。(「ブラッセル」と言うと「ブリュッセル」のこと?と聞かれることがあります。「ブラッセル」は 英語読みで、「ブリュッセル」は仏語読みです。どちらでもOK。)今でこそEUに対するロビイングは当たり前のことになっていますが、当時はまだまだ斬新。面白く楽しい仕事でありました。 ロビイストとして欧州委員会の官僚や欧州議会の議員と渡り合う中で連中の好い加減さに辟易することもありましたが、一つ感心したことがあります。EUの政策作りの大きな特徴は、時間をかけるということです。一つの法律を作り出すのに政策コンセプト作りからはじめて10年からの時間がかけられることもあります。CSRもその一つです。CSRというコンセプトが形をなすまでには長い思考と議論の過程がありました。「日本的経営」の美点が過度に一般化され、「長期的視野の日本」対「短期志向の西欧」という思い込みがあります。経営論的には一定の真実があるかもしれませんが、理念や政策思考を見る限りおそらく逆が真実に近いと思います。この時間感覚の差は今でも解消されない日本のCSRの微妙な「ずれ」を説明する上で有効だと思います。この点はおいおい。 いずれにせよ、日本では「CSR」という言葉が伝わった後、数年の沈黙を経て突如爆発的にCSR論が沸き上がります。もちろん、この爆発のトリガーを引くという我が国CSR史上記憶されるべき役割を果たした会社は今更言うまでもないでしょう。三菱自動車さんであり、雪印さんであります。世にはCSRの「権威」や「第一人者」が華々しいデビューを飾ります。 もっとも、日本の反応の鋭敏さそのものが悪いというわけではありません。ただし、何事も作用には反作用がつきもの。「CSR論は戦前の修身の教科書のよう」という辛口批判も出てきます。この批判を目にし、ワタシは「まったくしてごもっとも!」と喝采しつつ苦味のある大笑いを禁じえなかった。もちろん、修身の教科書を読んだことがない身にはこの批判の本当の評価はできないのですが、もし修身の教科書が「退屈なお説教」の比喩として使われているとすれば、あながちまちがっていない。だからこそ、これから退屈なCSRへの救済を探っていきましょう。未来は退屈ではないはずだから、きっとCSRにも救いがあるでしょう。退屈ではないCSRは未来を明るいものにしてくれるにちがいありません。 そうそう、先ほど「異端審判」と申しましたが、高校の世界史の授業でニカエアの公会議を勉強しましたね。そうです、西暦325年、コンスタンティヌス帝がキリスト教の基本をまとめるため召集した会議です。以来、父と子と聖霊の三位一体論は公式教義となります。神の子であるキリストは父なる神の神聖を完全に備えていたはずはない、との論が異端とされた歴史上有名な公会議の一つです。教科書の厚さにもめげずに世界史を選択した果敢な諸兄は記憶をたどればどこかにあるはずです。 最初の回はこう締めくくりましょう。日本のCSR業界が奉ずる公式教義は法令遵守と社会貢献とお客様満足の三位一体論であると。 ミャンマーで起きたこととCSR 2007年11月12日 先月、出張先のホテルでテレビをつけるとBBCで討論番組をやっていました。ゲストはアメリカでミャンマーの軍事政権に反対する活動を続ける人物。BBCのアナウンサーは容赦なく難しい質問を投げかけます。民主化を実現するためには国際社会はミャンマーをより孤立させたほうがよいのか、それとも対話を通じて関与を強めることが効果的なのか等々。なかでもワタシの関心を引いた質問はパリに本部を置く国際石油資本のトタルについてのものでした。トタルはF1をはじめモータースポーツを積極的にスポンサーしているので名前を聞いたことがある方も多いかと思います。同社のミャンマーでの事業が軍事政権を潤しているとの批判があることを指摘したうえで、アナウンサーはこう問いかけます。「EU(欧州連合)がミャンマーに対する制裁強化に踏み切った場合でもトタル社は同国から撤退する意志はないと明言しているが、コメントは?」答えるゲストの口から「企業の社会的責任」という言葉が何度も発せられました。もっとも、回答のラインは「社会的責任を考える企業もあれば、利益しか考えない企業もある、様々な企業に対してミャンマーの実情を訴えていきたい」といういたって常識的なものでしたが。 ミャンマーの軍事政権が民衆の抗議行動を武力鎮圧し犠牲者が出たことはつい最近のことです。誠に遺憾なことに我が同胞にも犠牲者がでました。ことの成り行きはメディアに大きく取り上げられました。日頃接点の薄い東南アジアの国での出来事を切実な問題として受け取られた方も多いかと思います。 BBCの例を紹介しましたが、日本とヨーロッパのメディアの反応の差異には興味深いものがあります。日本では、テレビも新聞もワタシの知る限りほぼ例外なくこんな締めくくりでした。「この事態に政府はどう対処するのか」、「政府の外交力が今問われている」、「政府は制裁強化をすべきだ」云々。すべての問いかけは政府に対してなさたわけです。しかし、ヨーロッパでは少し状況が異なります。トタル社の例をあげましたが、政府だけではなく企業にも様々な問題提起がなされ、自社の方針を述べることを余儀なくされた企業もあったのです。 国内では関心を引くことはほとんどありませんが、多くの日本企業がミャンマーで事業を展開しており、既にアメリカやヨーロッパのNGOから指弾されている企業もあります。ただし、ここでワタシはなにもミャンマーで事業をすることがすなわち悪であるといった過度に単純化された議論に与しようというわけではありません。医療機関にコンピューターを納入していることまで批判の対象となっている現状に戸惑いさえ覚えています。 ワタシが読者各位の関心を喚起したいポイントは企業の社会的責任として語られる事柄の彼我の差にあります。ミャンマーで起きたことに限られません。人種隔離政策をとった旧政権時代の南アフリカもまた然りです。欧米のNGOは日本企業を含む多くの企業がアパルトヘイトの維持に直接、間接の協力をしたと強い批判をしています。 「主権国家による自国民の人権侵害」という問題設定をしてみましょう。日本で「CSR」が語られるときのCSR観の広がりがどの程度のものであるかを考える上で一つの尺度となるような気がするのです。 ミャンマーで起きたことでCSRを計測する 2007年11月19日 先週はイギリスBBCの討論番組から出発しました。ミャンマーの軍事政権による人権抑圧でした。ヨーロッパでは「主権国家による自国民の人権侵害」への対処がCSRの一部をなしていることをご紹介しました。 さて、事態はさらに進みます。日本のテレビニュースでも伝えられましたが、イギリスではトタル社製品への不買運動が起こっています。一方、トタル社は同社の投資と事業がミャンマーの多くの市民の生活の向上に寄与していると反論しています。同社の主張は決しておかしなものではありません。投資の直接的、間接的な経済波及効果は大きいでしょうし、多くの人がトタル社のおかげで職を得ているのも事実だと思います。資源開発がとまればミャンマーの人々はより幸せになるでしょうか? 軍事政権は民主化に追い込まれるのでしょうか? トタル社が撤退してもNGOの圧力に気にかける必要のない他国の石油資本がとってかわるだけではないでしょうか。事態は好転するのでしょうか。難しい質問ですよね。 しかし、今起きている状況、ミャンマーの軍事政権による人権抑圧が同国に投資をしている企業の事業の正当性を揺るがしているという事態は否定できない現実です。少なくともわざわざ誰のためでもなく不買運動を展開する人たちがいるのです。一体どういうことなのでしょうか。 日本でCSRが語られるとき、よく耳にしますね。「愛される企業」、「正直で実直」、「優しい企業」などなど。もちろん、CSR広告賞でもねらうためには某かのコピーは必要だし。いや、そんな冷笑的態度はよしましょう。物事を斜から見ても得るものは少ないだろうから。 会社が愛される存在であり、正直で実直で優しい組織であれば、それは喜ばしいことです。誰が異を唱えるでしょう。小生も諸手をあげて賞賛します。ただ、どうしてもどこか引っかかるものがあります。ちょっと耳あたりが良すぎるような気がしませんか。猜疑心の強いワタシの人格的欠陥の故なのかもしれませんが。 薬には効能書きだけでなく副作用の警告も必要です。常に。読者のあなたが企業を経営しているとしましょう。あなたの会社は軍事政権下の某国で事業を展開していると想定してみてください。多くの人を雇用し、現地の従業員に十分な給与を支払い敬意をもって接しています。社会貢献にも積極的です。あなたの会社の寄付のおかげで多くの子供たちが学ぶ機会を与えられています。あなたの会社は地域社会で歓迎され尊敬されています。「愛される」企業です。もちろん、来年のCSR報告書の表紙は寄付した学校で嬉々として勉強している子供たちの笑顔が飾ることになります。 しかし、あなたの会社が納める巨額の法人税、もしくは事業免許税かもしれませんし、もしかしたら採掘ライセンス料かもしれませんが、は、軍事政権の大きな収入源です。もちろん、なにも法律違反はありません。当然、一切の悪意はありません。合法的に事業を行い、法律に従って納税しているだけです。しかし、もしかしたら、兵士が装備する銃も軍の装甲車の一部もあなたの会社が納めた税金によって賄われているかもしれません。彼らの銃口は民主化を求める市民に向けられているかもしれません。 現実はなんと複雑で、「善意」とはとらえどころのない相対的なものでしょうか。「法令遵守」の評価とはなんと文脈依存的なものでしょうか。会社が「愛される」とは一体どういうことなのでしょうか。決定的回答は誰にもできないと思います。もちろんワタシにも。でも、もう少し考えてみたいと思います。来週そうしてみましょう。 効能書きと副作用の微妙な関係 2007年11月26日 行政官として、また一時期民間ロビイストとして、ワタシは「政策」というものを相手にすることで社会に小さな居場所を与えられてきました。そのためでしょうか、物事を相対視しようとする傾向が比較的強くあるように思います。諸先生方が説かれる「世の中の真理」を額面通り受け取らず、こうやって異端の論を唱えてみたりしています。よくないことですが、なかなか治りません。 さて、先日、出張からの帰路、スイス人の紳士と隣り合わせになりました。人見知りするワタシはあまり積極的に人に話しかけるほうではありません。その日は交渉がひとまず終わって家族の待つ東京に帰れるという安堵感からでしょうか、珍しく挨拶をきっかけにして話がはずみました。 隣席の方は世界的製薬メーカーにお勤めで、動物実験についての全社的会議に出席するために日本に向かわれているとのこと。ヨーロッパで動物実験が非常にセンシティブな問題であることはご存じの方も多いと思います。日本やアメリカでは想像できないくらいヨーロッパの動物愛護団体の力は強い。なかには動物実験をヨーロッパの外に移して批判をかわそうとする会社さえあります。しかし、そのような逃避行には意味がないのでグローバルな社内体制をつくる必要があるのだと隣席の紳士は論じました。 聞きながら思い出していたのですが、ブラッセル時代のワタシの仕事の一つがEUの新しい化学物質規制案でした。徹底的なリスク評価を求める厳しい規制です。人体への影響を最小限にすることが規制目的でした。しかし、途中で動物実験の問題が急浮上します。化学物質のリスク評価を頻繁に行えば動物実験も比例して増えざるを得ません。この懸念に応えるため規制内容が大きく修正されました。かように彼の地では動物実験が大問題なのです。ちなみに、ある日本の製薬メーカーさんのCSR報告書が「評価対象外」という厳しい判定を受けたのですが、その理由ご存知でしょうか? 動物実験に触れていなかったためです。 今週の本題はミャンマーの続きです。やや脱線した感がありますが、ワタシが申し上げようとしたことは一つ。すべての事業に社会的効能と社会的副作用があるということです。薬や化学物質の安全性評価の「効能書き」が人々の健康だとすれば「副作用」の一つは動物実験です。ミャンマーで事業を展開している会社にとって雇用拡大や社会貢献が「効能書き」だとすれば、軍事政権への納税は「副作用」といえます。 何よりも大切なポイントは、そうです、CSRとは本質的に「副作用」についての企業の「責任」であるということです。効能は何時間でも語れるし、何ページでも書き連ねることができるでしょう。CSR報告書は「効能書き」を美しく視覚化したものが多いです。しかし、それらをCSRの本質的部分だと考えることは危険です。なにせ「効能」を述べることは誰にとっても楽しいことですから。雄弁かつ多弁になります。耽溺してしまう会社は少なくありません。心しないと御社もそうなるかもしれません。 反対に副作用を語ることは苦痛以外のなにものでもありません。できることなら触れたくないと思うのが人情です。しかし、副作用のない薬がないのと同様、いかなる事業、いかなる製品、いかなるサービスであっても、かならず「副作用」をどこかに伴っています。だから説明責任であり、だからCSRなのです。先に動物実験に触れていないCSR報告書が厳しい評価を受けたことを述べました。評価されるCSR報告書とは副作用に向き合う内容のものです。 素晴らしくよく効く薬の開発は大切なことです。が、CSRと表現してしまうと、おそらくCSRを見誤ります。動物愛護団体との衝突という社会的リスクに目がいかなくなります。ミャンマーで行っている社会貢献をCSRだと世に胸を張ることも同じです。自社の存在を相対的にとらえることはCSR的思考の一つの前提となります。 みんなCSRに飽き飽きしてる 2007年12月 3日 ミートホープ、赤福、船場吉兆、NOVA、コムスンなどなど、法令遵守違反の事案に注意を払っていたらきりがありません。そもそも雪印や三菱自動車の法令違反が大々的に取り上げられ両社の経営が危機的状況に陥ったことはそんなに昔の話でもありません。そうそう、今年初めには不二家の一件もあったこと、まだ憶えておられますか? なに、もう飽きた?ですよね。どれも似たり寄ったりだし。ワタシも飽き飽きです。「けしからん。こういう企業はCSRの精神を今一度思い起こすべきだ」などと手垢のついた説教をしようという気はありません。 そもそも平身低頭する経営陣に馬乗りになるようなコメントはあまり感じよくないですし。大体、ワタシは「法令順守はCSRと関係ない」と考えているので、不祥事をCSRに絡める言説に接すると「まちがっている」とさえ思ってしまうわけです。異端ですから。法令順守とCSRの関係はなかなか深遠なので別の機会にじっくり論じたいと思います。今日はCSR「飽き飽き」状態についてです。 新聞全部に目を通しているわけではないので確かなことは言えないのですが、ワタシが見た範囲で企業不祥事に関連してCSRの名において鉄槌が下された最後の一件がペコちゃんの件だったと思います。昨今、赤福でもNOVAでも記事に「CSR」って言葉出てこないですよね。日経新聞は広告局さんが盛んにCSRキャンペーンをやっておられるのでまだあれですが、それを除くと「CSR」の露出度は確実に下がっているように思います。みんなCSRに飽き飽きしてしまったのではないかと思うのです。企業にとってもパブリックリレーション上のCSRの価値は下がったかもしれませんね。 さあ、この飽き飽き状態をどう考えるか。熱しやすく冷めやすい、と言われる我々日本人の国民性の故と総括可能かもしれませんが、もう少し詳しく見たいと思います。 日本のCSRは百貨店の包み紙に過ぎない、と随分前から言っていたのですが、この点だけはズバリ当たっていたと自負しています。2001、2年ごろでしょうか、日本に「CSR」という言葉が紹介されると何が起こったか。様々な分野の専門家が「我こそは!」とご自身の分野をCSRの旗の下に論じられました。生態系保全、地球温暖化対策、リサイクル、法令順守、ガバナンス、フィランソロピー、NPOとの「協働」、お客様満足、さらには、石田梅岩や近江商人、終身雇用制度、これらすべてがCSRと重ねられます。そもそも「企業の社会的責任」という語感からして一般的で外に開かれた感じがあります。だから誰も「そんなのCSRじゃない」とは言いませんでした。むしろ全部を包含させていく力がコンサルティング業界やアカデミズムの世界からかかります。 結局、「CSRとは何か」という問いかけはなされませんでした。「何がCSRにあたるか」のみが語られ、当然「あれも、これも」となる。要するに排除の力が働かなかった。もしご関心があれば比較的初期に出版されたCSR関連の本を手にとっていただければあきらかです。「企業が行うなにがしか社会的、環境的なこと」位のイメージでCSRが切り取られています。「法令順守はCSRではない」などと言うワタシは多くの方を当惑させてしまったのです。 よくご質問を受けます。日本のCSRの定義とは何かと。ワタシの回答はいつも同じです。「日本はCSRという言葉を定義したことはない。反応しただけである。」 怒られてしまうかもしれません。日本でも様々な組織や団体がCSRの「定義」を発表しているじゃないかって。確かに。でもほとんど「定義」になっていません。定義とは概念の限界を画することです。CSRを定義するということはCSRではないものを明確にするということにほかなりません。定義するとは排除の力を作用させることなのです。ある時こういう熱弁に接しました。「最も重要なステークホルダーであるお客様のご意見に耳を傾け、よりよい商品を提供してお客様により満足していただくことこそCSRの本質である」。じゃ、CSRじゃないことってなに? 来週も引き続き「飽き飽きのわけ」に迫ります 〔出典:WIRED VISION BLOGS:藤井俊彦の「CSRの本質」http //wiredvision.jp/blog/fujii/〕
https://w.atwiki.jp/ce00582/pages/3490.html
using System; using System.Collections.Generic; using Microsoft.Xna.Framework; using Microsoft.Xna.Framework.Audio; using Microsoft.Xna.Framework.Content; using Microsoft.Xna.Framework.GamerServices; using Microsoft.Xna.Framework.Graphics; using Microsoft.Xna.Framework.Input; using Microsoft.Xna.Framework.Media; using Microsoft.Xna.Framework.Net; using Microsoft.Xna.Framework.Storage; namespace game70 { /// summary /// ゲームメインクラス /// /summary public class Game1 Microsoft.Xna.Framework.Game { /// summary /// グラフィックデバイス管理クラス /// /summary private GraphicsDeviceManager graphics = null; /// summary /// スプライトのバッチ化クラス /// /summary private SpriteBatch spriteBatch = null; /// summary /// スプライトでテキストを描画するためのフォント /// /summary /// summary /// モデル /// /summary private Model model = null; /// summary /// モデルの位置 /// /summary private Vector3 position = Vector3.Zero; /// summary /// GameMain コンストラクタ /// /summary public Game1() { // グラフィックデバイス管理クラスの作成 this.graphics = [[new]] GraphicsDeviceManager(this); // ゲームコンテンツのルートディレクトリを設定 this.Content.RootDirectory = "Content"; } /// summary /// ゲームが始まる前の初期化処理を行うメソッド /// グラフィック以外のデータの読み込み、コンポーネントの初期化を行う /// /summary protected override void Initialize() { // TODO ここに初期化ロジックを書いてください // コンポーネントの初期化などを行います base.Initialize(); } /// summary /// ゲームが始まるときに一回だけ呼ばれ /// すべてのゲームコンテンツを読み込みます /// /summary protected override void LoadContent() { // テクスチャーを描画するためのスプライトバッチクラスを作成します this.spriteBatch = new SpriteBatch(this.GraphicsDevice); // モデルを作成 this.model = this.Content.Load Model ("dd"); // 今回はパラメータをあらかじめ設定しておく [[foreach]] (ModelMesh mesh in this.model.Meshes) { foreach (BasicEffect effect in mesh.Effects) { // デフォルトのライト適用 effect.EnableDefaultLighting(); // ビューマトリックスをあらかじめ設定 effect.View = Matrix.CreateLookAt( new Vector3(0.0f, 20.0f, 2.0f), Vector3.Zero, Vector3.Up ); // プロジェクションマトリックスをあらかじめ設定 effect.Projection = Matrix.CreatePerspectiveFieldOfView( MathHelper.ToRadians(45.0f), (float)this.GraphicsDevice.Viewport.Width / (float)this.GraphicsDevice.Viewport.Height, 1.0f, [[100]].0f ); } } } /// summary /// ゲームが終了するときに一回だけ呼ばれ /// すべてのゲームコンテンツをアンロードします /// /summary protected override void UnloadContent() { // TODO ContentManager で管理されていないコンテンツを // ここでアンロードしてください } /// summary /// 描画以外のデータ更新等の処理を行うメソッド /// 主に入力処理、衝突判定などの物理計算、オーディオの再生など /// /summary /// param name="gameTime" このメソッドが呼ばれたときのゲーム時間 /param protected override void Update(GameTime gameTime) { KeyboardState keyState = Keyboard.GetState(); GamePadState gamePadState = GamePad.GetState(PlayerIndex.One); // Xbox360 コントローラの BACK ボタンを押したときにゲームを終了させます if (gamePadState.Buttons.Back == ButtonState.Pressed) { this.Exit(); } // キーボードによるモデルの移動操作 if (keyState.IsKeyDown(Keys.Left)) { this.position.X -= 0.1f; } if (keyState.IsKeyDown(Keys.Right)) { this.position.X += 0.1f; } if (keyState.IsKeyDown(Keys.Up)) { this.position.Z -= 0.1f; } if (keyState.IsKeyDown(Keys.Down)) { this.position.Z += 0.1f; } // ゲームパッドによるモデルの移動操作 this.position.X += gamePadState.ThumbSticks.Left.X * 0.1f; this.position.Z -= gamePadState.ThumbSticks.Left.Y * 0.1f; // 登録された GameComponent を更新する base.Update(gameTime); } /// summary /// 描画処理を行うメソッド /// /summary /// param name="gameTime" このメソッドが呼ばれたときのゲーム時間 /param protected override void Draw(GameTime gameTime) { // 画面を指定した色でクリアします this.GraphicsDevice.Clear(Color.CornflowerBlue); foreach (ModelMesh mesh in this.model.Meshes) { // モデルの位置を設定 foreach (BasicEffect effect in mesh.Effects) { effect.World = Matrix.CreateTranslation(this.position); } // モデルを描画 mesh.Draw(); } // 登録された DrawableGameComponent を描画する base.Draw(gameTime); } } }
https://w.atwiki.jp/ce00582/pages/3948.html
using System; using System.Collections.Generic; using System.Linq; using Microsoft.Xna.Framework; using Microsoft.Xna.Framework.Audio; using Microsoft.Xna.Framework.Content; using Microsoft.Xna.Framework.GamerServices; using Microsoft.Xna.Framework.Graphics; using Microsoft.Xna.Framework.Input; using Microsoft.Xna.Framework.Media; using Microsoft.Xna.Framework.Net; using Microsoft.Xna.Framework.Storage; namespace game0405 { /// summary /// This is the main type for your game /// /summary public class Game1 Microsoft.Xna.Framework.Game { private GraphicsDeviceManager graphics = null; int gtime; string[] st = new string[10]; Texture2D om, om1; private SpriteBatch spriteBatch = null; private SpriteFont font = null; public Game1() { // グラフィックデバイス管理クラスの作成 this.graphics = new GraphicsDeviceManager(this); // ゲームコンテンツのルートディレクトリを設定 this.Content.RootDirectory = "Content"; } protected override void Initialize() { gtime = 0; base.Initialize(); } protected override void LoadContent() { // テクスチャーを描画するためのスプライトバッチクラスを作成します this.spriteBatch = new SpriteBatch(this.GraphicsDevice); // フォントをコンテンツパイプラインから読み込む this.font = this.Content.Load SpriteFont ("Font"); om1 = Content.Load Texture2D ("gun"); } protected override void UnloadContent() { // TODO ContentManager で管理されていないコンテンツを // ここでアンロードしてください } protected override void Update(GameTime gameTime) { // Xbox 360 コントローラ、Windows Phone の BACK ボタンを押したときに // ゲームを終了させます if (GamePad.GetState(PlayerIndex.One).Buttons.Back == ButtonState.Pressed) { this.Exit(); } gtime = gtime + 1; st[1] = "i,my name is Atuko Maeda."; if (gtime 200) st[1] = " am a japanese idol."; om = om1; base.Update(gameTime); } protected override void Draw(GameTime gameTime) { // 画面を指定した色でクリアします this.GraphicsDevice.Clear(Color.White); // スプライトの描画準備 this.spriteBatch.Begin(); spriteBatch.Draw(om, new Rectangle(0, 0, 500, 500), Color.White); this.spriteBatch.DrawString(this.font, st[1], new Vector2(100.0f, 550.0f), Color.Black); // スプライトの一括描画 this.spriteBatch.End(); // 登録された DrawableGameComponent を描画する base.Draw(gameTime); } } }
https://w.atwiki.jp/d_va/pages/333.html
PLACE能力(矢上麗華) 08/7/25:取得 矢上麗華:アイドレスwiki 矢上爽一郎からのHQ累積により全能力+1 L:矢上麗華 = { t:名称 = 矢上麗華(ACE) t:要点 = 夕日,ワンピース,長い髪 t:[[周辺環境]] = ハイマイル t:評価 = 全能力19 t:特殊 = { *矢上麗華のみなし職業 = 摂政,[[バトルメード]],奥さん,[[舞踏子]]としてみなす。 } t:→次のアイドレス = 経済戦争(イベント),子供が出来た(イベント),経済協力(イベント),バカンス再び(イベント) } 摂政 摂政は外交戦行為ができ、この時、外見判定は評価+5され、燃料は必ず-2万tされる。この特殊は75%ルールの適用を受けない 摂政は同調判定に必ず成功する。 摂政のアタックランク修正 = AR-1として扱う。 バトルメード バトルメードはI=Dのパイロットになることができる。 バトルメードは援軍行為ができ、王女の許可があればどこの藩民としても活動できる。 奥さん 奥さんはI=Dのパイロットになることができる。 奥さんは援軍行為ができ、自らの意思で主人の元へ駆けつけることが出来る。 奥さんは家、もしくは家族、もしくは主人を守るために活動する間、全ての判定は評価+2される。 舞踏子 舞踏子はI=D、RB、艦船のパイロットになることができる。 舞踏子はコパイロット行為ができる。 舞踏子はオペレーター行為ができる。 舞踏子が居る場合、ヤガミ、ドランジ、アキの戦闘力は評価+3される。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2133.html
ウサギのナミダ ACT 1-17 □ その日は、あまりにもいろいろありすぎて、アパートに帰り着いたときには、すっかり疲れ切っていた。 水浸しの服を脱ぎ、熱いシャワーを浴びると、あとはもう寝床にごろりと横になって、他に何をする気も無くなっていた。 体は疲れていたが、意識は妙に冴えていた。 まだ興奮しているのだろう。 今日あった出来事を反芻しようとするが、うまく頭が回らない。 結局俺は、ボーッと天井を見上げながら、ただただ寝っ転がっていた。 どのくらいそうしていただろう。 携帯電話に着信があった。メールの着信音。 ゆっくりと手を伸ばし、液晶画面を見る。 約束通り、久住さんからだった。 メールの文面は、彼女らしく、簡潔だった。 「今日は生意気なことを言って、ごめんなさい。 明日、午前11時に、JR○○駅改札前で待っています。 追伸。 ティアの写真、送ります。」 添付ファイルを開く。 俺は小さく吹き出した。 ティアとミスティが一緒に写っている画像だ。 Vサインを出しながらティアの肩を抱いて余裕の笑顔のミスティに対し、ティアはなんとも間抜けな表情で肩をすくめている。 バカだな。笑えばいいのに。 俺はその画像だけで、ひどく安心してしまった。 ティアは無事だ。久住さんのところにいる。いまはそれでいいのだ、と思えるほどに、心に余裕ができていた。 メールの返事を送る。待ち合わせと画像の件に了解の旨を伝えた。 それにしても。 久住さんが指定した待ち合わせ場所が不可解だった。 最寄り駅からだと、ちょうど東京をまたいでいく感じになる。 そんなところで待ち合わせとは……他に行くところでもあるのだろうか。 まさか、彼女なりの嫌がらせというわけでもあるまい。 ……そんなことを考えること自体、俺の心が疲れている証拠だ。 俺は目覚まし時計をセットする。 明日の約束に遅れるわけにはいかない。 そして、寝床に横になると、不意に睡魔が襲ってきた。 疲れた……。 そう思いながら、睡魔にされるがまま、眠りに落ちていった。 翌朝。 異常に早く目が覚めた。 まだ気が高ぶっているのかも知れない。 だが、体の疲れはとれているし、頭の中もすっきりしていた。 時間にはまだだいぶ余裕がある。 俺はゆっくりと身支度を整え、駅前で朝食を取ることに決めて、家を出た。 ティアのいない一晩で、俺は心の整理がついていた。 必要な時間、だったのだろう。久住さんはそれがわかっていて、俺にこの時間をくれたのかも知れない。 結局、一番大事なことは、ティアが俺のそばにいることだ。 そのためなら、別にバトルロンドにこだわる必要はないのだ。海藤とアクアのように。 誰に見せることもなくなるだろうが、ランドスピナーを自在に操り、走る楽しさをティアが感じ続けてくれるなら、それでいいのだ。 それをティアに言ってやるつもりだった。 ティアは……どんな顔をするだろうか。 それにしても、今日の待ち合わせ場所は不可解だ。 待ち合わせなら、うちの最寄り駅、そうでなければ、三駅ほど離れた久住さんの最寄り駅でもいいはずなのに。 なぜ二時間近くもかかる遠いところ、しかも大都市というわけでもない、ごく普通の駅前なんて指定したのだろうか。 久住さんは、よくわからない人だ。 彼女にはいつも驚かされる。 それは不快ではなく、むしろ嬉しいサプライズが多いわけなのだが。 今日の待ち合わせ場所も、彼女の特有のサプライズなのだろうか。 やっぱり、よくわからない。 俺は電車の中で、つらつらとそんなことを考えている。 二時間近くかかった列車の旅も、ここで終着だ。 たどり着いたその駅は、全く普通のJRの駅だった。 時間よりも十分ほど早い。 待ち合わせは改札の前なので、もう一度駅名を確認してから、改札を通った。 彼女は先に来ていた。 ……だが、声をかけるのがためらわれた。 あそこにいる女性は、本当に、久住さんだろうか? いつもと雰囲気がまるで違っていた。 いつもの久住さんは、細いジーパンなどを履き、スポーティーな格好だ。それに武装神姫収納用のアタッシュケースを持ち歩いている。 ところが、待ち合わせの場所にいたのは、 「あ、遠野くん」 そう言って、微笑みながら小さく手を振ったので、やはりこの少女は久住さんで、待ち合わせの相手はどうやら俺であることを、かろうじて認識できた。 「おはよう、久住さん……待った?」 なんとかここまで口にできた俺を、むしろ誉めてもらいたい。 女の子に免疫のない俺は、緊張がすでに最高に達し、思考は遙か彼方に吹っ飛んでいた。 もちろん、表情に気を使う余裕などこれっぽっちもない。 「わたしも今来たところ。……でも、早かったですね」 「……遅刻すると、いけないと思って。でも待ち合わせ場所に完璧に変装した人がいたからびっくりしたよ。その格好どうしたの?」 「さすが遠野くん、いい心がけです。これですか?それは…まだ秘密です」 にっこりと笑う久住さん。 反則度が五割増しくらいになっている気がする。 これは久住さんによる何かの策謀なのだろうか。 俺にとってはもうサプライズを通り越して、遠大な陰謀の一端ではないかと思われる。 この時点で俺はもうドギマギした気持ちをどうにも持て余しており、すがりつく話題を必死に捜していた。 そして、巡り巡った思考の末、一番大切な今日の本題にたどり着いた。 「あ、あの……てぃ……ティア、は……?」 「大丈夫。ちゃんと連れてきました。 いつも胸ポケットが定位置みたいでしたのでコートの内ポケットにしっかりと。 ……ティア」 久住さんが、下げたハンドバッグにその名を呼ぶと、二人の神姫がバッグの口からひょっこりと顔を出した。 ■ 菜々子さん(ミスティのマスターも、名前で呼ぶことをわたしに要求した)の呼びかけに、左右の大きな内ポケットにそれぞれ隠れていたわたしとミスティは前を塞ぐボタンを弾け飛ばしてから顔を出した。 すぐに目が合う。 マスター。 一日会っていないだけなのに、ひどく懐かしい気持ちになった。 同時に、罪悪感が沸いてくる。 それは、わたしの噂で迷惑をかけたことと、マスターに無断でいなくなったことの両方の意識が入り交じった複雑なものだった。 マスターは少し驚いたようにわたしを見つめ、 「ティア……」 わたしの名前を呟いて……そのまま、地面に両膝と両手を着いてうなだれてしまった。 ええぇ? マスターは大きく一つため息をつく。 「どんだけ心配したと思ってるんだ……」 あ……。 昨晩、久住さんが言ったとおり。 マスターは、本当に、わたしの心配をしてくれていたんだ。 わたしのことなんて、忘れてそれで……幸せになってくれればよかったのに。 それでも、マスターが心配してくれたことが嬉しくて。 自分が消えようとしてたことなんて棚に上げて。 なんてひどい神姫だろう。 「ごめんなさい……」 結局、いつもの言葉を口にするしかない、わたし。 でも、マスターは、 「おまえが無事なら……いいさ」 そう言って顔を上げた。 もう、いつもの無表情だった。 包帯を巻いていない、左手の甲を差し出す。 「戻ってきて……くれるよな?」 マスターは相変わらず表情を表に出さなかったけれど。 でも、声が、少し震えていた。 わたしは、菜々子さんのバッグから出ると、マスターの左手に乗り移る。 そのとき、後ろを振り返ると、ミスティが笑顔で頷いていた。 □ 左胸のポケットの重さに、俺は心底ほっとする。 俺は立ち上がると、久住さんに頭を下げた。 「ごめん。見苦しいところを見せてしまって……」 「ううん……ふふふ、いいリアクションでした」 「それから……ありがとう。ティアを見つけてくれて……昨日も、気を遣ってくれて……」 「大したこと、してないわ」 そう言って、久住さんは首を横に振った。 彼女がどんな思いなのか、その表情から伺い知ることはできなかった。 久住さんは、一度目を閉じて、うん、と頷くと、俺を見た。明るい表情。 「さて、用事も済んだことだし……ねえ、遠野くん、連れて行きたいところがあるの。付き合ってくれる?」 「え? あぁ……」 やはり続きがあった。 「はじめから、そのつもりだったんだろう?」 「やっぱり、わかる?」 「そうじゃなきゃ、こんな遠くに呼び出したりしないだろう?」 「まあ、ね」 久住さんは反則度五割増しで笑っている。 彼女を勘ぐっているのは、俺の神経が過敏なのか、疑心暗鬼すぎるのか。 俺が何となく即答できずにいるのを見て、彼女は言った。 「大丈夫。ただのホビーショップなんだけど……遠野くんも、きっと気に入ると思うわ」 「ホビーショップ……?」 ただのホビーショップなら、途中過ぎた秋葉原でも事足りる。 わざわざこんなところまで来るというのには、理由があるのだろうが……。 まあ、考えていても仕方がない。 せっかくこんな遠くまでやってきたのだから、このあたりのホビーショップでバトルロンド観戦も悪くはないだろう。 俺たちの顔が知られているわけでもないのだから。 「わかった。付き合うよ」 「決まりね」 久住さんはにっこりと笑う。 俺と彼女は並んで歩き出した。 駅前の商店街を歩いていく。 何も特別なことなどない、どこにでも見られる、ごく普通の商店街だった。 いったい、何を考えているんだろう? 俺は隣を歩く久住さんを盗み見る。 ……えらく細い肩が視界に入った。 久住さんは、男の俺に比べれば確かに小柄だったが……こんなにも細い肩だったろうか。 いや、全身が細くて華奢な感じがする。 それでも、痩せすぎという感じではなく、女性らしい柔らかな体つきだった。 いかにも、女の子という感じで……。 これでとても美人なのだから、俺が隣にいるのがえらく場違いに感じてしまう。 というか、端から見たらどうなのだろう。 一緒に並んで歩いているなんて、まるでデートみたいなのではないだろうか。 ……デート!? 俺と、こんなに可愛い女の子が!? いやいや、違う。 これは久住さんの厚意で、ホビーショップに案内してもらっているだけなのだ。 だが、一度意識してしまうと、頭では否定していても、感情が沸騰してしまう。 おかげで、女の子にろくに免疫のない俺は、久住さんの隣で緊張しっぱなし、彼女を意識しすぎて頭の中は真っ白という状態に陥った。 「ここよ」 目的地に着いたことを久住さんが教えてくれなければ、ぎくしゃくとした足取りのまま、どこまでも歩いていったかも知れない。 俺たちがたどり着いたのは、彼女が言ったとおり、ホビーショップの店先だった。 それほど大きいとは言えない、商店街にある個人経営の普通のホビーショップ。 店の看板を見上げる。 『ホビーショップ・エルゴ』とあった。 エルゴ……? 「って、ここ……あの、エルゴ……なのか?」 「うん」 久住さんはあっさりと頷いた。 「遠野くんだったら、きっと来てみたいだろうと思って」 それはもちろんだった。 ホビーショップ・エルゴといえば、武装神姫ファンならば知る人ぞ知る名店だ。 俺が知るエルゴ評でもっとも印象的だったのは「武装神姫の魅力がすべて詰まっている店」というものだった。 さらに、ここのバトルスペースの常連達は、有名な神姫プレイヤーばかりなのだ。 ティアを迎える前から、一度は来てみたいと思っていた。 久住さんは店の自動ドアをくぐっていく。 俺もあわてて後に続いた。 「いらっしゃいませ」 元気のいい女性店員の挨拶が出迎えてくれる。 店内を見渡した俺は、圧倒された。 気合いが入っている、なんてものじゃない。 武装神姫のパッケージ商品はもちろん、追加武装からカスタムパーツ、専用工具にメンテナンス用品、果ては神姫専用のオリジナル衣服まで。 ありとあらゆる武装神姫関連製品が所狭しと、しかしきちんと系統立てて、わかりやすく並べてある。 秋葉原などの大型店舗に比べたら小さい店ではあるが、へたをすればこっちの方が品揃えがいいんじゃないか? 店頭に置ききれない分は、検索端末で在庫確認、注文もできるようになっているみたいだ。 端から物色したい気持ちになるが、今日は久住さんの付き添いである。 とりあえず我慢して、久住さんに目を移す。 「おひさしぶり、静香さん!」 「あら、菜々子さん、元気だった?」 久しぶりの再会に、エプロンをつけた女性店員とハイタッチなんかしている。 女性店員はめちゃくちゃ美人だった。流れるような黒髪が印象的な美人。 久住さんとはタイプが違うが、男だったら思わず振り向いてしまうほどの美貌だ。 武装淑女にはえらく美人が多い気がするが……美人じゃないとバトルロンドをやってはいけないという掟でもあるんだろうか。 なんて、腐った思考をしていた俺に、その店員さんが視線を向けてきた。 俺の上から下までさらり、と視線を流し…… 「彼氏?」 久住さんへの問いに、俺は思わず吹き出した。 久住さんは、店員さんの耳元へ口を寄せ、何事か囁いている。 そして、 「ふぅん……」 また俺をさらりと見渡した後、なにか納得げに頷いていた。 ……なんなんだ。 「ところで、店長は?」 「奥で作業中。呼んでくる?」 「ううん、いいわ。こっちに戻ってきたら、わたしが来たこと伝えてくれますか? 言えばわかりますから」 「わかったわ」 店員さんが頷くのを確認して、久住さんは俺のそばに戻ってきた。 「先にティアとミスティを預けてしまいましょう」 「え?」 神姫を預ける? 久住さんは俺を店の一角に案内する。 そこは神姫サイズの机や椅子が並ぶスペースだった。 いまも数人の神姫がたむろしている。 あとで説明を受けたが、神姫学校と言って、エルゴで神姫を預かるサービスなのだそうだ。 「ティアはこっちね」 「ミ、ミスティ……ちょっとぉ!?」 ミスティはティアに腕を絡めて、ぐいぐい引っ張っていく。 以前にも利用したことがあるようで、勝手知ったる、という感じだった。 「わたしたちは、上ね」 久住さんは俺を店舗の二階へと案内する。 店の二階はバトル用のスペースになっており、バトルロンド用の筐体が並んでいた。 筐体の数こそ、ゲームセンターに比べれば見劣りするが、観戦用の大型ディスプレイも設置されているし、多人数対戦用の設備も備わっている。 休憩スペースで観戦もできるようになっていて、いたれりつくせりだった。 小さな店なのに、多くの常連が通うのも、当然だと思う。 近くにあったら、俺だって常連になっているだろう。 久住さんは差し向かいになれる小さなテーブルのある休憩スペースに、俺を連れてきた。ちょうど誰もいない。俺たちは向かい合って腰掛けた。 大型ディスプレイでは、現在プレイ中のバトルロンドの様子が映し出されている。 思わず目がいってしまう。 バトルをしているのは、アーンヴァルとマオチャオ。 アーンヴァルはノーマル装備の組み替えのカスタムらしい。 一方のマオチャオは、巨大なブースターを背負い、高速で滑空している。 バトルは白熱している。その動きから、両者ともかなりの手練れだとわかる。 「あの神姫……両方とも見たことあるな……」 「ああ……マイティとねここ、有名だもの」 久住さんのさも当たり前のような答えに、俺は吹き出した。 『公式武装主義者』と『雷光の舞い手』かよ!? 俺でもその二つ名を知っている、有名な武装神姫だ。 その二人が普通に草バトルしているこの状況って……。 いきつけのゲーセンにしか行ったことのない俺にしてみれば、スタープレイヤー同士のバトルをあっさり観戦できるこの状況が、とんでもなく贅沢なことに思えた。 「さっきの、店員の女の子もね、有名よ?」 「へえ……?」 「ドキドキハウリンのマスター」 「ぶっ」 俺が驚く様を、久住さんは面白そうに見ている。 まったく、俺は井の中の蛙だ。 彼女が『天才』戸田静香か。 秋葉原の神姫バトルミュージアムで、バトルロイヤル五二機撃墜を達成したハウリン。 そのマスターはあらゆる技術を身につけており、武装、ソフトウェア、果ては神姫用の衣服まで作成するとか。 バトルも強いが、ショーマンシップでバトルを盛り上げることを一番とする、趣味人。 どんな人物かと思っていたが、まさかあんな美人が……。 俺は首を振った。 世の中、わからないことが多すぎる。 俺たち二人は、そこでしばらくバトルロンドを観戦していた。 白熱の攻防を見ていると、やはり血が騒ぐ。 俺もバトルしてみたい、と思う。俺の、武装神姫と。 「やっぱり、バトルロンドはいいな……」 心からそう思う。 ティアに、バトルしなくてもいい、なんて言ってやるつもりだったが、心の底では納得していなかったのかも知れない。 バトルに挑む神姫達の美しい姿、マスターが繰り出す知略の攻防、そして神姫とマスターがともに掴む勝利の達成感。 何物にも代え難い、と思う。 「遠野くんは……どうして武装神姫をはじめたの?」 唐突な、久住さんの問い。 「どうしてティアを自分の神姫にしたの? あのレッグパーツはどこで手に入れたの? どうしてあの戦い方にこだわるの? ねえ……」 まっすぐな視線に射抜かれて、俺は身動きすることができなかった。 「教えて。わたし、あなたのこと……あなたたちのこと、何も知らない」 ■ ミスティはわたしの腕を取って、ぐいぐいと引っ張っていく。 わたしは歩調を合わせるのがやっと。 彼女は妙に楽しそうに見えた。 神姫学校のスペースには、何人かの神姫が集まって、グループを作って歓談しているようだった。 ミスティは、グループの一つに近づいていく。 グループの輪で、中心になっていた神姫が、近寄ってくるわたしたちに気がついて、顔を上げた。 ツガル・タイプだ。 瞳に少し気位の高そうな光を宿している。 「あら、珍しい……ミスティ、ひさしぶりね」 「ごきげんよう。調子はどう?」 まずまずね、なんて答えたツガル・タイプは、ミスティに腕を抱えられているわたしを見た。 「その子は?」 「この子はティア。わたしの親友」 「親友? あなたの?」 何か信じられない珍獣を見るような視線。 それでも、ツガル・タイプの彼女は、微笑んで挨拶してくれた。 「はじめまして、ティア。わたしはシルヴィア。ミスティの昔なじみよ。よろしくね」 「は、はい……ティアです……よろしく……」 お辞儀をしたわたしの頭の中に、浮かんでくるものがある。 ツガル・タイプのシルヴィア……? 聞いたことがある。確か…… 「レッド・ホット・クリスマス……?」 シルヴィアさんは頷いた。 その二つ名は全国大会でも知られた有名な神姫の名だった。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2171.html
ウサギのナミダ ACT 1-31 □ 翌日。 俺はいつものように午前の遅めの時間に、ゲームセンターに向かった。 ついに虎実との対戦だ。 虎実のバトルはよく側で見ていたから、まだ一回しか対戦していないという実感はない。 ティアと戦うために、納得いくまで技を練り上げたという。 それだけでも興味は尽きない。 はたして、虎実はどんな武装神姫になったのか。 駅前で、久住さんと合流する。 彼女も、彼女の神姫・ミスティも、ティアと虎実の対戦は是非観たい、と熱望していた。 あのゲーセンには、感情的に入りづらいので、久住さんが同行してくれるのは心強い限りだった。 ほどなくして、ゲーセンの入り口にたどり着く。 入り口をくぐる。 バトルロンドのコーナーにいるすべての客が俺たちに視線を向けた。 ランキングバトル一位の大城と戦うから、注目されているのだろうか。 それにしては、雰囲気が微妙な感じだが……。 そんな俺の思考を、大声が中断させる。 「あああぁぁっ!! 来た! やっと来た!! まったく君は、どこに行ってたんだよっ!!」 大騒ぎしながら、俺に近寄ってくる、その男。 忘れるはずもない。 「井山……貴様が何でここにいる?」 「決まってるだろ、アケミちゃんを返してもらうためだよっ!!」 そう言う井山の態度には、いつぞやのような余裕は微塵もなかった。 怒りの形相で、目をギョロギョロとさせて俺を睨んでいる。 口調はせっぱ詰まっていた。 俺は久住さんよりも一歩前に出て、彼女を守る位置に。 胸ポケットから、震えが伝わってきた。 俺は胸ポケットをそっと手のひらで隠す。 「くどいやつだな。何度来たって、ティアは絶対に渡さない。あきらめろ」 「うるさいっ! あきらめられるもんか! もうアケミちゃんしかいないんだよ! この間の一斉取り締まり以来、酷い目に遭ってるんだ! 雑誌の連載は打ち切られて、残りのギャラをもらうどころか、とばっちりで怒られる! 神姫風俗はほとんどなくなっちゃって、馴染みの店も神姫もいなくなっちゃったんだぞ! それどころか、取り締まりの日は、逃げるのが大変だったんだ!」 どうやらこいつは、逃げるのだけは得意らしい。 「それからたびたび、警察には捕まりそうになるし、ボクにすり寄ってきた連中はいなくなっちゃうし! 神姫風俗なんか、もうろくな店が残っていないんだ! もう一ヶ月も、神姫でやってないんだぞ!? 頭がおかしくなりそうだ!」 ……こっちの方がおかしくなりそうだ。 周りを見回すと、どうやら井山は俺が来る前から持論を展開していたようだ。 ギャラリーは一様にうんざりとした顔をしている。 「君が素直にアケミちゃんを渡せば、こんなことにはならなかったんだよっ! だいたい、元々ボクの神姫なのに、それを返そうとしないなんて、盗人猛々しいにもほどがある!」 「……自分でゴミ捨て場に投げ捨てておいて、よく言う」 俺の呟きに、井山の顔が引きつった。 ギャラリーがざわめく。 「な、なにを……」 「貴様は、店の追っ手から逃げ切れそうになくなって、それを神姫のせいにして、ゴミ捨て場に投げ捨てた。 雨の中、電柱に叩きつけてな。 腕も脚も折られていて……そんなんでよく自分の神姫だなんて言い張れるな」 「き、君……見ていたのか!?」 「ああ。その後すぐに、お前が悪態をついていたゴミ捨て場で、神姫を見つけた」 ティアの素性は、もうばれている。 だから、ティアを見つけたときのことを隠しておく必要もなくなった。 いまや俺はなんのためらいもなく、井山と対峙できる。 そもそも、素性をばらしたのは井山だ。自業自得だな。 「ティアは確かに、貴様が捨てた神姫だ。 だけど俺が拾ったときには、壊れた精密機械ゴミのような状態だった。 俺は動けるように修理して、自分の神姫にした。 それなのに、まともに動くことがわかったら、また自分のものだと言い張って……盗人猛々しいのは貴様の方だ」 「ひ、開き直って……」 井山はもはや反論もできない様子だ。 もともとこいつの話は正論ではないのだ。 俺が追い込まれたあの時とは事情も違っている。 だから今回は、俺も余裕を持って対峙できる。 ギャラリーはざわついていた。井山の話が、結局は身勝手で一方的なものだということが分かったようだ。。 「く、クイーンとちょっといい勝負したからって……ちょっと雑誌で取り上げられたからって……いい気になりやがって……この、淫乱神姫がっ!」 俺の胸ポケットが、びくり、と震えた。 ティアが怯えている。 俺と本当に心を通じ合わせた今でもなお、この男とのしがらみは、ティアの心を縛り付けている。 こいつだけは許せない。 俺の心にも暗い炎が宿った。 「ふざけるな……この犯罪者」 俺の言葉は、地の底から響くようだった。 「貴様のような奴がいるから、いつまでも神姫たちの悲しみがなくならないんだ。 神姫虐待の犯罪者が、神姫の悪口を言う資格なんざない。 神姫の気持ちも考えず、ただ性のはけ口としてしか考えない貴様と、貴様と同類の連中を、俺は絶対に許さない」 「し、神姫の気持ちなんて……考える方がおかしいだろ!? 神姫なんて、人間様の言うことを素直に聞いてりゃいいんだよっ!!」 次の瞬間、ギャラリーから一斉にブーイングがあがり、井山に罵声を浴びせた。 当然だ。 周りにいるギャラリーは、バトルロンドのプレイヤーばかりだ。共に戦う神姫を、多かれ少なかれ、大切なパートナーと考えている。 今の一言で、井山はここにいる神姫とマスターすべてを敵に回していた。 「うるさい、うるさいっ! 自分の神姫をどんなふうに扱ったって、そんなの勝手だろ!?」 「うるさいのはお前の方だ!」 「この変態野郎が、いい加減にしろ!」 「お前に神姫マスターの資格はねぇ!」 「だいたい、神姫風俗の店から盗んできた神姫は自分のじゃないんじゃね?」 「神姫いじめて悦んでること自体がサイテー」 「普通、神姫風俗行ってたことを自分で言ったりしねぇよな。頭おかしいよ、こいつ」 ギャラリーはいつも無責任に当事者たちを罵倒する。 今回は俺ではなく、井山に向けられている、それだけの話だ。 だが、井山は追いつめられた。 この場で、井山の味方など誰一人としていない。 それでもなおこの場に踏みとどまっているのは、ティアに対する執念なのか。 井山は顔を青くしたり赤くしたりしながら、俺を指さしてこう言った。 「だ、だったら、バトルロンドで勝負だっ! アケミちゃんを賭けて正々堂々と勝負しろっ!」 何が「だったら」なのかよく分からないが。 井山の背後にいた大城が言う。 「アホか! そんな勝負、受けるまでもねぇだろ! それに、遠野たちになんのメリットもないだろが!?」 「もし、万が一、ボクが負けたら……ボクは二度と君たちの前に姿を現さない。アケミちゃんも諦めてあげるよ」 「それだけじゃ、賭けるものが釣り合わないだろ」 俺の言葉に、大城が驚いたようにこちらを見る。 続いてギャラリーがみな、俺に注目した。 「貴様が負けたら、警察に行け。そして、二度と俺たちの前に姿を現すな」 「遠野くん!?」 俺の後ろから、久住さんが悲鳴のように俺を呼ぶ。 俺は少し彼女を振り返った。 彼女が心配してくれるのは嬉しい。 言いたいことも分かる。こんな勝負、受ける必要がない、そう言いたいのだ。 だが、俺は井山と雌雄を決するつもりでいた。 ティアが奴への恐怖を克服しない限り、ティアの本当の安息は訪れない。 だったら、奴とのしがらみをここで断ち切るほかにない。 俺は、もう決心していたのだ。 久住さんは俺と目を合わせた。 彼女の大きな瞳に、俺のくそ真面目な顔が映っている。 久住さんはそっと溜息をつくと、俺から視線をはずした。 心配してくれた彼女には申し訳ない、と思う。 俺は井山の野郎に向き直る。 「どうだ。その条件が飲めるなら、バトルロンドで勝負しようじゃないか」 「そ、そんなことしたら、ボクが捕まっちゃうかも知れないだろ!?」 「だから、負けたらおとなしく捕まれ、と言っている。 警察には、ティアの過去の記憶も提出済みだ。解析も終わっていて、顧客も特定されているだろう。 貴様は神姫虐待の容疑で間違いなく逮捕される立場だ。 警察に逮捕された上で、自分の罪を反省し、二度と俺たちに前に姿を現すな」 「な、な、なんでこのボクが、たかが神姫のために、そこまで体を張らなくちゃいけないんだよ!!」 「俺はティアのために、すべてを賭ける覚悟をした。 貴様が仕掛けた罠を覆すためにな。 自分がティアのオーナーだと主張するなら……貴様もすべてを賭けて勝負に挑め」 「や、やっぱり……今回の神姫風俗の件は……君の仕業かっ!!」 「……俺はきっかけだったに過ぎないけどな」 井山の視線には憎悪すらこもっていた。 だがそれは逆恨みというものだ。 警察が神姫風俗取り締まりに動こうとしていたそもそもの理由は、井山が提供した、あの雑誌記事だったのだから。 結局は自業自得なのだ。 せっぱ詰まっていた井山だったが、不意に、表情を変えた。 いつものいやらしい、余裕の笑みをにじませる。 「いいよ、わかったよ。ボクが負けたら警察に行く。勝ったら、アケミちゃんはボクのもの。どちらにしても、君たちの前には二度と姿を現さない。 その条件でバトルしよう」 「……どういう風の吹き回しだ?」 「いいじゃないか。ボクが条件を飲むって言ってるんだからさぁ。すぐ始めようよ」 「貴様、神姫をつれてきてるのか?」 「ここにいるよ」 井山は、手に持っていたアタッシュケースを持ち上げて見せた。 何が入ってるのかと思えば、神姫だったのか。 「条件を飲むかわりに、ステージはボクが指定するよ」 「断る」 俺は即座に井山の意見を却下した。 ティアがまともに戦えないステージを指定されては意味がない。 「わかってるよ、アケミちゃんが戦えるステージじゃないと、ダメなんだろ? ボクが指定するのは……塔だ」 「……塔?」 ギャラリーがざわめく。 俺は記憶をたぐり寄せる。 塔ステージは人気の低い、かなりマイナーなステージだ。 確か、巨大な円柱状の塔の内部がそのフィールドである。 塔の内部はそこそこの広さがある。 外周部に螺旋状に階段がしつらえてある。 全体は強固な石造り。 明かりはたいまつによって、ところどころ照らし出されている。 天頂部は閉じられており、出入り口もない。 円柱状の巨大な密室だ。 特別な仕掛けもない。 なぜこの塔ステージが人気がないのかというと、面白味がないからだ。 飛行タイプの神姫は、最高速度も出せないし、機動も制限される。 地上タイプは身を隠すところもなく、縦方向への移動は螺旋階段のみ。 あらゆる神姫が、お互いの持ち味を発揮できないフィールドなのだ。 奴がこんなステージを指定してくること自体が不可解だ。ティアだけではなく、奴の神姫にだってメリットはない。 「どうだい? ここならアケミちゃんの機動を制限する訳じゃないし。壁走りだってできるよねぇ?」 「……!」 井山はバトルロンドに興味がないのかと思っていたが、そうではないらしい。 少なくとも、ティアの戦闘スタイルを知っている。 ある程度、俺たちを研究していると見るのが妥当か……。 身を隠すところがないのは不安だが、だからといってティアに不利なステージでもない。 井山の神姫がどんなやつなのかは気になるところだが、塔で有利な神姫というのはちょっと思いつかない。 俺たちが有利になりこそすれ、不利な要素は何もなかった。 唯一の気がかりは、奴が何を考えているのか、それだけだった。 「……いいだろう」 「うふふふ、それじゃあ、はじめようよ」 井山は大きな体を揺らしながら、筐体の方に歩いていく。 客たちは、汚いモノに触れるのをいやがるように、奴に道をあけた。 そんな客の態度を、井山は気にもとめない。 「遠野くん……こんなバトル、受けてもよかったの?」 久住さんが心配そうに尋ねてくる。 「ああ。あいつをのさばらせたままじゃ、ティアはいつまでも怯えて暮らさなくちゃならない。ここで奴に引導を渡して、ティアの過去も断ち切る。 これは、どうしても必要なバトルなんだ」 「でも……ハイリスク過ぎるわ」 「わかってる……でも、リスクが高いのは奴も同じだ」 いままで必死に逃げ回っていたのに、このバトルに負けたら、警察に素直に捕まらなくてはならない。 井山の人生においては、大きな事件になるだろう。 お互いにハイリスクなものを賭けたバトル。 それでも俺は一歩も引く気はなかった。引くわけには行かなかった。 「ティア……」 おれは胸ポケットでうずくまる神姫に声をかける。 「怖いか?」 「はい……」 ティアの声は震えている。 実のところ、俺の心は怒りで煮えくり返っていた。 あんな奴のせいで、今もティアはこんなに怯えている。 あいつだけは、絶対に許さない。 「いいか? これから井山とバトルする」 ティアがびくり、と身体を震わせた。 「だが、怖がることなんてない。 昔のお前は一人きりで、奴の言うなりだった。 今は違う。俺がいる。お前と一緒に戦う。あんな奴には決して負けない。 だから……勇気を持て」 ティアが俺の方に顔を上げた。 瞳に涙が滲んでいた。 「戦うのはお前なのに……勝手に奴とのバトルを決めて、ごめんな」 「……いいえ」 ティアは弱々しく微笑んだ。 胸が痛くなる。 このバトルは、ティアには気の進まない戦いだ。 なのに俺はそれをティアに強要する。 だから俺はエゴイストだというのだ。 だが、この戦いがティアに必要だという考えも揺らがない。 一連の騒動に決着をつける最後のピースは、ティアが自らの過去と決別することだ。 そうしなければ、ティアはいつまでも自分の過去を引きずってしまう。 このバトルで、ティアの過去を断ち切る。 俺は強い決意を持って、筐体の前に座った。 「おい、遠野」 「大城……」 大城は俺の後ろにやってきて、くそ真面目な顔をしている。 「すまんな、お前たちとのバトルは、これが終わるまで待っていてくれ」 「……勝つんだろうな?」 「負ける気はさらさらない」 俺も真面目に受け答えする。 大城は頷いた。 このバトルに勝たなくては、長く目標としてきた大城たちとの対戦も実現しない。 俺が決意を新たにしていると。 なんと虎実が、ティアに声をかけた。 ■ マスターが何の考えもなしに、こんなバトルを受けるとは思っていない。 思っていないけれど。 心に刻み込まれた恐怖は、簡単には拭えない。 あの人の……かつてわたしのお客さんだった人の顔を見るだけで、恐怖に身がすくむ。 条件反射のようなものか。 あの手がわたしを掴んだ瞬間から、もう逃げようのない虐待が始まるのだと、どうしてもそう考えてしまう。 マスターは、そんなわたしに気を遣ってくれた。 それはとても嬉しいのだけれど。 でも、マスターの言うような勇気は、まだ絞り出せていない。 バトルに挑む心ができないまま、わたしは筐体の上に立つ。 身体が小刻みに震えているのが分かる。 マスターの指示通りに戦えば、勝てると信じているけれど。 どうしても、どうしても、怖くて怖くて仕方がない。 このままでは、勝てる試合も勝てないのではないか……。 そんな弱気が心に浮かんだ時。 わたしを呼ぶ声が、聞こえた。 「ティア!」 「……え?」 「アンタがあんな奴の神姫に負けるはずがねぇ! さっさと勝って、アタシと対戦だ。忘れんな!!」 驚いた。 虎実さんがこんな風に私に声をかけてくれるなんて、初めてかも知れない。 虎実さんは、まっすぐにわたしを見つめてくる。 真剣な表情に、わたしは息を飲む。 マスターの後ろから、別の神姫の声が聞こえてきた。 「そうよ、自信を持ちなさい! あなたは、この『エトランゼ』にも勝てる、あの『クイーン』とだって渡り合える実力があるんだから!」 ミスティ。 彼女はいつもわたしの心配をしてくれる。 そして、いつの間にかマスターの後ろに来ていた、四人の少女たち……久住さんの弟子?の四人の肩の上から、次々と声がかかる。 「ティア、がんばって!」 「また、あのきれいなバトルを見せて下さい!」 「勝てる、勝てるよ!」 「あんな奴に負けないで、ティア!」 ライトアーマーの神姫たち。 会話するのも初めての彼女たちが、わたしを激励してくれている。 どれほど驚いたことだろう。 どれほど嬉しかったことだろう! わたしは、驚きに見開いていた目を、一度伏せる。 そして再び目を開いたとき。 恐怖に怯える気持ちは、小さくしぼんでいた。 「ありがとう……みんな」 ずっと、独りだと思っていた。 マスターのところに来たときから、わたしは誰にも迷惑をかけないように、独りでいなくちゃならない、そう思っていた。 だけど今は、仲間がいる。 わたしを認めてくれる友達がいる 折れそうなわたしの心を支えてくれる。 アクセスポッドに歩み寄る。 向かい合う相手のマスターは、どうしても怖いけれど。 今は、マスターと仲間たちがくれる、勇気の方が勝っている。 わたしは戦える。 このバトルに勝って、約束を果たそう。 □ 仲間ができた。 俺たちを信じてくれる仲間は、何よりかけがえのない存在だ。 俺は仲間たちに支えられて、絶望の淵から立ち上がることができた。 だから、ティア。 お前も仲間たちの言葉を胸に、勇気を持って走り出せ。 お前が走れるのなら、俺が勝利への道を示してやる。 そして、この事件のすべてに決着をつけよう。 「……準備はいいか?」 俺は井山に尋ねる。 相変わらずの、薄気味悪い笑み。 「いいとも。はじめよう」 俺と井山は同時にスタートボタンを押した。 筐体に今回のフィールドである「塔」が浮かび上がる。 対戦カードが表示される。 『ティア VS クロコダイル』 『GET READY …… GO!』 塔の内部が表示される。 薄暗い塔の中、ティアがたたずんでいる。 どこか、不安な表情。 塔の中は静寂に包まれている。 奴の神姫は…… 瞬間、井山の耳障りな叫びが響きわたった。 「ひゃははははは! かかった、かかったね!? もうこれで、ボクの勝ちさ! さあ、アケミちゃん、思いだしなよ。 これが、ボクの神姫だ!!」 その叫びと共に。 塔の上の方から。 奴の神姫が姿を現した。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/19138.html
R-ACEイントルーダー(OCG) 効果モンスター 星4/炎属性/戦士族/攻1800/守1800 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。 [[デッキ]]から「R-ACE」[[罠カード]]1枚を手札に加える。 (2):相手がフィールドのモンスターの効果を発動した時、 手札・フィールドのこのカードをリリースし、 「R-ACEイントルーダー」以外の自分の墓地の「R-ACE」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを特殊召喚する。 デッキサーチ 下級モンスター 戦士族 炎属性 蘇生 R-ACE R-ACE補助